登園停止となる感染症一覧

園児が感染症にかかった場合は医師の診察を受け、学校保健安全法に定められた登園停止期間に従って、ご自宅で安静にしてください。 感染症の疑いがある場合には、スタッフの判断によりお預かりをお断りする場合があります。
治療後の登園につきましては、(1)医師からの登園許可意見書または(2)保護者記入の登園届の提出をお願いする場合もございますので、ご了承ください。

※厚生労働省「2018年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン」に基づき、下記のように定める。

学校保健安全法施行規則第18 条における感染症の種類について

種類 病名
第一種の感染症 エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールブルグ病、ラッサ熱、急性灰白髄炎、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属SARSコロナウイルスであるものに限る。)、中東呼吸器症候群(病原体がベータコロナウイルス属MERSコロナウイルスであるものに限る。)及び特定鳥インフルエンザ(感染症法第6条第3項第6号に規定する特定鳥インフルエンザをいう。)
※上記に加え、感染症法第6条第7項に規定する新型インフルエンザ等感染症、同条第8項に規定する指定感染症、及び同条第9項に規定する新感染症は、第一種の感染症とみなされます。
第二種の感染症 インフルエンザ(特定鳥インフルエンザを除く)、百日咳、麻しん、流行性耳下腺炎、風しん、水痘、咽頭結膜熱、結核及び侵襲性髄ずい膜炎菌感染症(髄膜炎菌性髄膜炎)
第三種の感染症 コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎その他の感染症

(1)医師が意見書を記入することが考えられる感染症

感染症名 症状 登園のめやす
麻しん(はしか) 発症初期には、高熱、咳せき、鼻水、結膜充血、目やに等の症状がみられる。発熱は一時期下降傾向を示すが、再び上昇し、この頃には口の中に白いぶつぶつ(コプリック斑)がみられる。その後、顔や頸けい部に発しんが出現する。発しんは赤みが強く、やや盛り上がっており、徐々に融合するが、健康な皮膚面が残る。やがて解熱し、発しんは色素沈着を残して消える。肺炎、中耳炎、熱性けいれん、脳炎等を合併することがあるため、注意が必要である。特に、肺炎や脳炎を合併した場合、重症となる。 解熱後3日を経過していること
インフルエンザ 突然の高熱が出現し、3~4日続く。倦けん怠感、食欲不振、関節痛、筋肉痛等の全身症状や、咽いん頭とう痛、鼻汁、咳せき等の気道症状を伴う。 通常、1週間程度で回復するが、気管支炎、肺炎、中耳炎、熱性けいれん、急性脳症等の合併症が起こることもある。 発症した後5日経過し、かつ解熱した後2日経過していること(乳幼児にあっては、3日経過していること)
風しん 発しんが顔や頸部に出現し、全身へと拡大する。発しんは紅斑で融合傾向は少なく、約3日間で消え、色素沈着も残さない。発熱やリンパ節腫脹を伴うことが多く、悪寒、倦怠感、眼球結膜充血等を伴うこともある。合併症として、関節痛・関節炎、血小板減少性紫斑病、脳炎、溶血性貧血、肝機能障害、心筋炎等がある。感染しても無症状なこと(不顕性感染)が 30%程度ある。風しんについて特に知っておくべき重要なこととして、妊娠初期に母体が風しんウイルスに感染すると、胎児に感染して先天性風しん症候群を発症し、低出生体重児、白内障、先天性心疾患、聴力障害、小頭症、精神発達遅滞等を引き起こす。 発しんが消失していること
水痘(水ぼうそう) 発しんが顔や頭部に出現し、やがて全身へと拡大する。発しんは、斑点状の赤い丘しんから始まり、水疱ほう(水ぶくれ)となり、最後は痂か皮(かさぶた)となる。これら各段階の発しんが混在するのが特徴で、全ての発しんが痂か皮(かさぶた)となれば感染性がないものと考えられる。 合併症には、脳炎、小脳失調症、肺炎、肝炎、発しん部分からの細菌の二次感染等がある。 すべての発しんが痂か皮(かさぶた)化していること
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス) 主な症状は、発熱と唾液腺(耳下腺・顎下腺・舌下腺)の腫脹・疼痛である。発熱は1~6日間続く。唾液腺の腫脹は、まず片側が腫脹し、数日して反対側が腫脹することが多い。発症後1~3日にピークとなり、3~7日で消える。腫脹部位に疼とう痛があり、唾液の分泌により痛みが増す。発熱や耳下腺腫脹・疼痛はないこともあり、明らかな症状のない不顕性感染例が約30%存在する。不顕性感染の割合は乳児で多く、年齢とともに低下する。中枢神経系、膵すい臓、生殖腺(精巣や卵巣)等にも感染するため、無菌性髄膜炎、難聴、脳炎・脳症、精巣炎・卵巣炎等の重い合併症をきたすことがある。 耳下腺、顎下腺、舌下腺の腫脹が発現してから5日経過し、かつ全身状態が良好になっていること
結核 全身に影響を及ぼす感染症だが、特に肺に病変が生じることが多い。主な症状は、慢性的な発熱(微熱)、咳、疲れやすさ、食欲不振、顔色の悪さ等である。症状が進行し、菌が血液を介して全身に散布されると、呼吸困難、チアノーゼ等がみられるようになることがある。また、結核性髄膜炎を併発すると、高熱、頭痛、嘔吐、意識障害、けいれん等がみられる。 医師により感染の恐れがないと認められていること
咽頭結膜熱(プール熱) 主な感染経路は、飛沫感染及び接触感染である。プール熱と呼ばれることがあるが、塩素消毒が不十分なプールの水を介して感染することがあるものの、それよりも接触感染によって感染することが多い。 発熱、充血等の主な症状が消失した後2日経過していること
流行性角結膜炎 主な症状として、目が充血し、目やにが出る。幼児の場合、目に膜が張ることもある。片方の目で発症した後、もう一方の目に感染することがある。 結膜炎の症状が消失していること
百日咳 特有な咳(コンコンと咳き込んだ後、ヒューという笛を吹くような音を立てて息を吸うもの)が特徴で、連続性・発作性の咳が長期に続く。夜間眠れないほどの咳がみられることや、咳とともに嘔吐することもある。発熱することは少ない。生後3か月未満の乳児の場合、呼吸ができなくなる発作(無呼吸発作)、肺炎、中耳炎、脳症等の合併症も起こりやすく、突然死の一因であるとも考えられている。年長児以降では、咳の長引くかぜと思われることも少なくない。また、思春期や成人になってから発症することも多く、感染源となる。多くの場合では、適切な抗菌薬による治療によって排菌は抑えられるが、咳だけは長期間続く。 特有の咳が消失していること又は適正な抗菌性物質製剤による5日間の治療が終了していること
腸管出血性大腸菌感染症(O157、O 26、O 111) 無症状の場合もあるが、多くの場合には、主な症状として、水様下痢便や腹痛、血便がみられる。尿量が減ることで出血しやすくなり、意識障害を来す溶血性尿毒症症候群を合併し、重症化する場合がある。稀ではあるが、脳症を合併する場合がある。 医師により感染のおそれがないと認められていること。(無症状病原体保有者の場合、トイレでの排泄習慣が確立している5歳以上の小児については出席停止の必要はなく、また、5歳未満の子どもについては、2回以上連続で便から菌が検出されなければ登園可能である。)
急性出血性結膜炎 主な症状として、強い目の痛み、目の結膜(白眼の部分)の充血、結膜下出血がみられる。また、目やに、角膜の混濁等もみられる。 医師により感染の恐れがないと認められていること
侵襲性髄ずい膜炎菌感染症(髄ずい膜炎菌性髄ずい膜炎) 主な症状は、発熱、頭痛、嘔吐であり、急速に重症化する場合がある。劇症例は紫斑を伴いショックに陥り、致命率は10%、回復した場合でも10~20%に難聴、まひ、てんかん等の後遺症が残る。 医師により感染の恐れがないと認められていること

(2)医師の診断を受け、保護者が登園届を記入することが考えられる感染症

感染症名 症状 登園のめやす
溶連菌感染症 主な症状として、扁桃炎、伝染性膿痂(とびひ)、中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎等の様々な症状を呈する。扁桃炎の症状としては、発熱やのどの痛み・腫れ、化膿、リンパ節炎が生じる。舌が苺状に赤く腫れ、全身に鮮紅色の発しんが出る。また、発しんがおさまった後、指の皮がむけることがある。伝染性膿痂しんの症状としては、発症初期には水疱(水ぶくれ)がみられ、化膿したり、かさぶたを作ったりする。適切に治療すれば後遺症がなく治癒するが、治療が不十分な場合には、発症数週間後にリウマチ熱、腎炎等を合併することがある。稀ではあるが、敗血症性ショックを示す劇症型もある。 抗菌薬内服後24~48 時間が経過していること
マイコプラズマ肺炎 主な症状は咳であり、肺炎を引き起こす。咳、発熱、頭痛等のかぜ症状がゆっくり進行する。特に咳は徐々に激しくなり、数週間に及ぶこともある。中耳炎、発しん等を伴うこともあり、重症化することもある。 発熱や激しい咳せきが治まっていること
手足口病 主な症状として、口腔粘膜と手足の末端に水疱性発しんが生じる。また、発熱とのどの痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が口腔内にでき、唾液が増え、手足の末端、おしり等に水疱(水ぶくれ)が生じる。コクサッキーウイルスA6が原因の手足口病では、水痘と間違えられるほどの発しんが出たり、爪がはがれたりすることもある。無菌性髄膜炎を合併することがあり、発熱や頭痛、嘔吐がみられる。稀ではあるが、脳炎を合併し、けいれんや意識障害が生じることもある。 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
伝染性紅斑(りんご病) 発しんが顔や頭部に出現し、やがて全身へと拡大する。発しんは、斑点状の赤い丘しんから始まり、水疱ほう(水ぶくれ)となり、最後は痂か皮(かさぶた)となる。これら各段階の発しんが混在するのが特徴で、全ての発しんが痂か皮(かさぶた)となれば感染性がないものと考えられる。 合併症には、脳炎、小脳失調症、肺炎、肝炎、発しん部分からの細菌の二次感染等がある。 全身状態が良いこと
ウイルス性胃腸炎(ノロウイルス感染症) 主な感染経路は、経口感染、飛沫感染及び接触感染である。汚物処理が不十分な場合、容易に集団感染を引き起こす。ウイルスに感染している調理者を介して食品が汚染されたことによる食中毒が多く起きている。感染者の便には、多くのウイルスが排出されている。また、嘔吐物の中にも多量のウイルスが含まれている。感染力が強く、乾燥してエアロゾル化した嘔吐物を介して、空気感染(飛沫核感染)することもある。 嘔吐、下痢等の症状が治まり、普段の食事がとれること
ロタウイルス 流行性嘔吐下痢症をおこす感染症である。5歳までの間にほぼ全ての子どもが感染する。主な症状は嘔吐と下痢であり、しばしば白色便となる。脱水がひどくなる、けいれんがみられるなどにより、入院を要することがしばしばある。稀ではあるが、脳症を合併して、けいれんや意識障害を示すこともある。多くは2~7日で治癒する。
ヘルパンギーナ 発症初期には、高熱、のどの痛み等の症状がみられる。また、咽頭に赤い粘膜しんがみられ、次に水疱(水ぶくれ)となり、間もなく潰瘍となる。高熱は数日続く。熱性けいれんを合併することがある。無菌性髄膜炎を合併することがあり、発熱、頭痛、嘔吐を認める。まれながら脳炎を合併して、けいれんや意識障害をおこすこともある。多くの場合、2~4日の自然経過で解熱し、治癒する 発熱や口腔内の水疱・潰瘍の影響がなく、普段の食事がとれること
RSウイルス感染症 呼吸器感染症で、乳幼児期に初感染した場合の症状が重く、特に生後6か月未満の乳児では重症な呼吸器症状を生じ、入院管理が必要となる場合も少なくない。一度かかっても十分な免疫が得られず何度も罹患する可能性があるが、再感染・再々感染した場合には、徐々に症状が軽くなる。通常、大人では鼻炎程度の軽い感冒症状がみられる。 呼吸器症状が消失し、全身状態が良いこと
帯状疱しん 水痘に感染した患者は、神経節(脊せき髄後根神経節や脳神経節)にウイルスが潜伏感染しており、免疫能の低下、ストレス、加齢等をきっかけとして、神経の走行に沿った形で、身体の片側に発症することがある。数日間、軽度の痛みや違和感(子どもの場合ははっきりとしない)が、そして場合によってはかゆみがあり、その後、多数の水疱(水ぶくれ)が集まり、紅斑となる。日が経つと膿疱や血疱、びらんになることもある。発熱はほとんどない。通常1週間で痂皮(かさぶた)化して治癒する。子どもの場合、痛みは大人ほどではなく、多くの場合には痛み止めの内服は不要である。発しんが治癒した後に跡が残ることがある。 すべての発しんが痂皮(かさぶた)化していること
突発性発しん 生後6か月~2歳によくみられる。3日間程度の高熱の後、解熱するとともに紅斑が出現し、数日で消えてなくなるという特徴をもつ。比較的軽症の疾患であり、自然経過で治癒するが、熱性けいれん、脳炎・脳症、肝炎等を合併することがある。ヒトヘルペスウイルス7の初感染でも突発性発しんの特徴がみられることがあるが、この場合は生後2~4歳頃に多いとされている。 解熱し機嫌が良く全身状態が良いこと